大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和30(あ)826 決定

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人A、同B、同Cの弁護人松下宏の上告趣意第一の一について、所論は、原

審において主張せず従つて原判決の判断を経ていない事項であつて、適法な上告理

由にあたらない。のみならず所論引用の判例はいずれも、投票買収を共謀した者の

間における買収資金の授受は罪とならないとするものであるが、原判決は、被告人

Aと同Cとが他人に投票買収のため金員を供与することを共謀した事実はこれを認

定していないのであるから、所論判例は本件に適切ではなく、所論はむしろ判例違

反に名をかりて事実誤認を主張するに過ぎず適法な上告理由にあたらない。

同第一の二、及び第二について、所論はいずれも量刑不当の主張で適法な上告理

由にあたらない。

同第三の一について、所論は上告趣意第一の一と同旨であつて、適法な上告理由

にあたらないことは同論旨につき説明したとおりである

同第三の二について、所論も亦量刑不当の主張であつて適法な上告理由にあたら

ない。

被告人D、同Eの弁護人山田嘉八の上告趣意について、

所論は、事実誤認、量刑不当の主張に過ぎず適法な上告理由にあたらない。

よつて刑訴四一四条、三八六条一項三号により主文のとおり決定する。

この裁判は、裁判官小谷勝重の次に記する反対意見があるほか、裁判官全員一致

の意見によるものである。

裁判官小谷勝重の反対意見は次のとおりである。

第一審判決が被告人Aを懲役八月に、同Cを懲役六月にそれぞれ処し、右両被告

人に対しいずれも二年間右刑の執行を猶予する旨言い渡しているのに原審が自ら何

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ら事実の取調をすることなくして右第一審判決を破棄し、訴訟記録及び第一審で取

り調べた証拠のみによつて被告人Aを禁こ四月に同Cを禁こ三月に処する旨の実刑

の判決を言い渡したのは刑訴四〇〇条但書に違反するものであつて、原判決はこれ

を破棄しなければ著しく正義に反すること、昭和二七年(あ)第四二二三号同三一

年七月一八日言渡大法廷判決記載のわたくしの少数意見のとおりである。

昭和三一年一一月三〇日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

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